片岡大右・著(集英社, 2023)
「インフォデミック」というキーワードが
タイトルにあることをふまえて、一読してみました。
単に事実関係をまとめるならば、2頁ほどで済みそうな内容でした。
しかし事実関係を認定するためには、
やはりご本人、ないしは当事者の言葉がないと足場が揺らぎます。
読者としては、惑うばかりのような気もします。
「インフォデミック」とは、ときに当事者をさておいて、
情報が情報を拡大再生産し、渦を巻いていくばかりの現象であることが
この著作の存在によっても傍証されているように感じました。
実は、渦の中心には何もないのではないか、
そうした素朴な直感を残して、間接情報・伝聞情報・拡散情報と
距離を置きながら付き合うことが
求められているのではないでしょうか。