景山洋平 光文社, 2021
新書版なので、大事なことがぎゅうぎゅう詰めになっている感じがしました。
ぜひ、チャプターごとに1冊、書いてほしいと思います。
マルクス・ガブリエルの新実在論について批判的に言及している箇所は
要チェックです。
「世界」という言葉で世界を措定したうえで、その「世界」の実在を否定する、
そんなガブリエルのアクロバティックなロジックには違和感を覚える人もいるし、
しかしながら、切実な思いにかられて
「世界」の実在こそ否定しなければならないと考えるガブリエルに、
支持をしたくなる人もいると思います。
「意味の場」を前提にした場合に、その「世界」は当然、マルチバースであるはずだし、
しかし、われわれが「意味の場」を前提にできること自体において、
「世界」は世界を前提にしているように読めてしまいます。