フランシス・フクヤマ 著 会田弘継(新潮社, 2023)
左右の両サイドから浸食・蚕食されていく真のリベラリズム。
その価値を、「歴史」を俯瞰するなかで掬いだそうとする本書。
もちろん、大変参考になるのだが、
「歴史」の必然性(ないしは、偶有性)をどこまで信じるかによって
読み方が変わってしまうだろう。
人類にとって、「end」=目標(endpoint)が共有されたことなど、
あったのだろうか。
そもそも「人類」という「類的存在」をイメージしながら
生きている人など、どれほどいるのだろうか。