藤原辰史・著 (講談社, 2022)
歴史をたたき出す、その思考の筋道に関する記述は、
示唆に富んでいます。
歴史の事実性にこだわるあまりに、
歴史の歴史性を見失ってしまったり、
歴史の歴史性にとらわれるあまりに、
歴史の事実性を過小に評価したり。
いずれにしても、ピュアな歴史を想定している時点で、
すでにして、歴史に対する冒涜を重ねているように感じるのです。
歴史と謙虚に格闘した、その足跡を残ること。
しかしどの学問においても、
それは共通して求められる構えなのではないかと
思います。