おだやかな死

本と出合う

シモーヌ・ド・ヴォーボワール 1964=1995 紀伊国屋書店


老い、病、死。

ここまで克明に記録された著作だとは知らなかったので、

おどろきをもって最後まで読み切ることが出来た。

「死」を、だれにとっても「不当な暴力」と位置付けたヴォーボワール。

その叫びには共感するところが大きいのだが、

しかしそのことだけを受けとめていると、

死の不条理と生の不合理が、一体のものとなって身に迫ってくる。

人生の哲理は、もうすこし別のアングルからも

語られねばならぬだろう。

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