<声なき声>のジャーナリズム

本と出合う

マイノリティの意見をいかに掬いあげるか 田中瑛(慶応義塾大学出版会, 2024)


「真正性」というキーワードは、

わたしが提起している「リアリティ」というコンセプトと

かなりオーバーラップしていると考えました。

問題構造の腑分けに関しては、とても共感します。

久しぶりに、目の覚める著作を読む機会を得ました。

すばらしい才能に感服します。

あらためて再読したいと思います。


ただし、付言しておくと

本書で提示された「実践」(補論)に関しては、

やはり物足りなさが否めない。

この点に関しては、すごみ(オーセンティシティ)を感じることができませんでした。

本書のセオリーに則って指摘するならば、

まねごとでは、理論を実証することはできません。

チャレンジ自体が、まずもって「本物」である必要がある。

このことを、「補論」がはからずも実証しているように感じました。

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