学生執筆:難病患児者のシミュレーション訓練

防災福祉プロジェクト

執筆担当: 濱崎真乃・黒田愛実・松井百桃香


こんにちは!

近藤ゼミ

修士1年の濱崎真乃、

学部4回生の黒田愛実と松井百桃香です。

私たちは7月30日、茨木市にある

庄栄エルダーセンターにおいて行われた

「災害時における難病患児者のシミュレーション訓練」

に参加しました。


電源を必要とする医療機器を使用している難病児者の避難訓練は、

大阪府で初めての取り組みであり、

多くの福祉関係者やメディアも来られていました。


[難病患児者搬送の様子]


今回の訓練に協力していただいた難病患児者は、

人工呼吸器をつけている9歳の男の子でした。

訓練を通して、

患者家族や地域支援機関が発災時の動きを確認することで

どのような問題が生じうるのか

どのような対応策があるのかを考え、

災害時にも難病患児者やその家族が

地域で安心して療養生活が送ることができるようにする、

ということがこの訓練の主なねらいでした。

そして患者情報として、

・母子で集いの広場を利用中に被災

・広場は停電しているが呼吸器は内臓バッテリーで稼働中

という設定で訓練が行われました。


避難先である庄栄エルダーセンターと集いの広場は

ZOOMで繋げられ、リアルタイムで

患者家族側と避難所側の動きを両方確認することができました。

また、庄栄エルダーセンターが所持する

蓄電池の見学もさせていただきました。

医療機器を動かすための蓄電池と発電機がそれぞれ1台ありました。

電源を必要とする難病児者にとって、非常用電源の確保が重要となります。


ここからは、参加した学生の感想です。

[濱崎真乃]

今回の訓練で見つかった大きな課題として、

連絡手段として、「非常時に電話は本当に使えるのか」

ということが挙げられました。

医療的ケア児の受け入れにあたって、

当事者と保健所、保健所と施設など

多くのやりとりが必要です。

そこで、LINE電話など、

回線がいらない連絡手段も

選択肢の一つになればいいなという声がありました。

やってみないとわからない課題が多くあり、

今回のような当事者家族の声が伝わる機会が

重要だと感じました。

参加させていただき、ありがとうございました!

[黒田愛実]

今回の訓練に参加して、とても有意義な体験でした。

誰一人取り残さない防災体制を実現するためには、

地域全体での協力が必要だと思います。

その中には我々学生も含まれていると思いますし、

今回初めて難病児者やそのご家族が避難する過程や

様々な課題を直接聞いたことで、

いざという時に少しでも力になりたいと感じました。

[松井百桃香]

やってみないと分からないことは多くあると感じました。

特に私は、難病児の荷物の多さが最も印象的でした。

難病児は、人工呼吸器のバッテリーや加湿器などに加え、

避難が長期になるにつれてより多くの荷物が必要となり、

保護者1人では持つことが困難なほど

多くの荷物を持っていく必要があります

。そんなとき周囲の人の理解と協力が必要になります。

平時から訓練に参加し、難病を持つ方への理解を深め、

災害に備えておくことが大切だと思いました。

それぞれの特性に応じた

個別性の高い対応が必要となる難病児者に対し、

災害時に迅速な対応を行うためには、

地域全体で重層的な支援を行うことが重要です。

定期的に訓練を行うことで、

課題や問題点を洗い出し、解決法を考えることで

災害時において全ての人々の命を守り

誰もが安心して過ごすことができるよう

平時から備えておく必要があると考えました。


[避難先、庄栄エルダーセンターのベッド]


改めまして庄栄エルダーセンターの神野様、

施設・訓練関係者の皆様、

このような貴重な訓練に参加させていただき

ありがとうございました!

(濱崎真乃、黒田愛実、松井百桃香)

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