こんにちは。
近藤ゼミ4回生の西出梨乃と矢嶋爽花です。
この度、能登半島地震災害ボランティア活動
5回目を無事に終了できたこと、そしてキリコ祭りを開催できたことを、
このゼミブログでご報告させていただきます。

8月17〜18日、能登半島輪島市町野町という、
能登半島の中でも先端部分に位置する地域に
ボランティアに行ってきました。
目的は、キリコ祭り開催のお手伝いと、
瓦礫撤去などの被災地支援です。
まず、キリコ祭りのお手伝いをするに至った経緯から、
お話させていただきます。
私たちは、3月末から現地ボランティア活動を行い、
現地の様子を視察し、比較的スローペースと考えられる
復旧を目の当たりにしてきました。
そして、現地訪問を通して、
キリコ祭りという伝統的な祭りが毎年開催されていること、
能登半島地震による被害の影響で今年は開催の目処が立っていないこと、
現地では開催したいという声が上がっていることを知りました。
キリコ祭りとは、江戸時代から続く祭りで、
能登地方を代表する伝統の一つで、
五穀豊穣などに対する神様への感謝を示すことを目的に
開催されるお祭りです。
キリコと呼ばれる、大きいもので十数メートルにも及ぶ
神輿のようなものを担ぎ、街を練り歩きます。
町野町曽々木地区の自治会長さんである刀祢さんが、
曽々木で祭りが開催できたら、
祭りが開催できない地区にも元気を届けられるかもしれないと
おっしゃっていたことなどから、私たちも、
このキリコ祭りを開催することができたら、
現地にとって大きなパワーとなるのではないかと感じ始めました。
そして、私たちの現地入りをサポートしてくださっている、
「NPO法人 阪神淡路大震災1.17希望の灯り」代表である
藤本真一さんが5月頃にお祭り支援を申し出て、
私たち学生も神戸チームの一員として
キリコ祭りを開催するためのクラウドファンディングに携わりました。
クラファンは、祭りに必要な神輿の担ぎ手を神戸から送り込むこと、
お祭り運営に必要な経費を集めること、
能登半島地震に関心を持っていただくこと、
そして何よりも現地の方々が集う理由を作ることを目標に実施しました。
結果、たくさんの方々が支援、参加を申し出てくださり、
祭りを無事に遂行する運びとなりました。
ご協力くださった方々、本当にありがとうございました。
当日は、バスで神戸から輪島まで8時間かけて向かいました!
約40人の大グループです。
参加メンバーは、大学生、高校生、メディア関係の方など、
普段の生活では関わることがないようなメンバーで、
どうなるかドキドキ…。
そして…!
現地についてからは、お祭り準備です。
現地の青年団の指示とキリコの担ぎ方のレクチャーをしっかり受け、
20時頃、キリコ祭りがスタートしました。
日が沈み、涼しい風が吹く中で、
大きなキリコが光を灯し、街を照らしました。
現地の方やボランティアの方関係なく、
みんなでキリコを担いで声を出し、
大きなキリコは街を練り歩きました。
一緒に神戸から参加した高校生たちが、
現地の方々と笑顔で声を揃えてキリコを担いでいる姿が、
とても印象に残っています。
そして最後は、
海岸から打ち上げられる花火をみんなで見て、
胸がいっぱいになりました。
みんなで同じ時間に同じ景色を見ている今だけは、
震災で生まれた悲しい気持ちや寂しい気持ちよりも、
人と人との繋がりや自然豊かな能登の良さを感じて、
みんなが暖かい気持ちに包まれていてほしいと感じました。
深夜0時頃に解散となり、
軽く片づけをしてその日は終了となりました。
翌日は引き続き祭りの片づけや、
本来のボランティア業務である家具の持ち出しなどを
手伝わせていただきました。
翌日にキリコを解体したり運びだす作業は
少し寂しさもありましたが、お祭りを思い出すと
すごく幸せな気持ちにもなりました。
祭りの開催から片付け、最初から最後までお祭りに関わり、
少しですが被災地への力になれた気がしたからです。
朝は本当に天気が良くて、曽々木の海を見ていると、
今までの活動や昨日の景色を思い出し、
涙が込み上げてきました。
昼過ぎには町野町を出発しました。
バスに乗り込む前に、現地の方々が花道を作ってくださり、
盛大にお見送りをしてくださいました。
お別れの際、沢山の「ありがとう」、「頑張ってね」「またね」
という言葉をかけてくださり、本当に本当に嬉しくて、
でも少し寂しかったです。
また、自治会長である刀祢さんのお言葉で、
私たち学生でも被災地のみなさんが喜ぶことに貢献することができ、
半年間、町を訪問して繋がることができた意味があったのだと
実感しました。
改めて繋がりを与えてくれた近藤先生や藤本さん、
町野町のみなさま、ご協力いただいた全ての方々にお礼申し上げます。
私たちが出来ること、力になれること、
小さなことではありますが、繋がりを絶やさず、
今後とも支えあい共に歩み続けていきたいです。
西出梨乃・矢嶋爽花