小泉 悠(筑摩書房, 2022)
おそらく学生の諸君は、この本を読んだときに、
ネットニュース追いかけているかぎり、こんなことはおおよそ「知っている」。
専門家でさえも、これくらいのことしか言えないのか。
という嘆息をするのではないでしょうか。
しかし、それは短見です。
この本を読む限り、専門家として、事実関係の把握を
ぎりぎりの緊張感でおこなっていて、
言えること/言えないことを、丁寧に書き分けています。
どのように書いたとしても、バイアスのそしりを受けるのでしょうが、
この本の著者は、立派だと感じました。
第5章をじっくり読み、時の流れをふまえて、検証し続けるとよい。
この本には、橋頭堡としての価値が十二分にあると思います。