井上智洋・著 (文藝春秋社, 2022)
机の上に“ツンドク”状態になっておりましたが、
ようやく、おそまきながら、読了しました。
メタバースそのものに関する紹介よりも、
筆者による加速主義擁護論を、興味深く読みました。
破局の極北を見据えて動いたとしても、
加速のリアリズムを貫徹して動いたとしても、
残念ながら結果は同じこと(人為とはその程度のこと)かもしれません。
それよりも、経済(貨幣)というドミナントな価値と
われわれはどのように向き合っていけばよいのか、
そのあたりのことのほうが、より本質的な主題になるように思います。
イリイチの遺産相続ゲームになぞらえるならば、
そろそろ「終幕」にさしかかってきた様相があります。
メタバースかユニバースか、そうした形式上の違いは、
もはやトリビアルなことに過ぎないのではないかと思います。